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木造アパートの六畳間に住むどこから見ても冴えない男。岩丸秀三(32)。 彼は何をやってもだめな自分にうんざりし、仮想現実の中で理想のヒーローとなれるアクションゲームに はまっていた。そんな彼が手にした一本のゲーム。知らないゲーム会社のソフトであるが、 パッケージから想像するに自分好みのゲームである。早速、ソフトをセットしゲームを始める秀三。 しかし、そのゲームは自分の理想とは大きくかけ離れた内容。主人公のヒーローはおじさんだし、 敵役のゾンビもなんだか太っていて弱そうだし。敵キャラは逆に若くてイケメンばかり。 そんなゲームに鋭いツッコミを入れながらプレイする秀三。それでも次々と襲いかかってくるゾンビを、 様々な武器を駆使し倒してゆく。そしてついにラスボスであるビックジョンジャックの待つフロアへとやってくる。 人間を次々とゾンビ化して世界征服をもくろむこの男。しかし本当のゲームはまだ始まったばかりであった…。果たしてゲームに隠された秘密とは? ゲーム☆アクション ※初期原案プロットより抜粋 原案:松村清秀 【 OPENINNG 】 スローモーション 廃ビルの階段をかけ上がる千里。後ろを振り返る。そして駆け上がる。激しい息づかい…。 駆け上がりながらまた振り返る。乱れる髪…。 後方に黒い大きな影がうごめく。 廃ビルの地下フロア。うごめく影に向かって右手に持っている“パラ・オーディナンスP14”を8連射。 ドス ドス ドス・・・。黒いものが次々と倒れる。 カートリッジが床に落ちて跳ね上がる。そして次のカートリッジを装填。 腰からもう一丁の“キンバーカスタム”を左手で抜く。 “パラ・オーディナンスP14”が14連射なのに対し、“キンバー”は7連射。 しかもパラに比べややショートスライドのため、一発一発の間隔がせまく、 左手のキンバーを撃ち終わった後に右手のパラ・オーディナンスから最後の4発が発射される。 黒い影の前列は倒れていくが、影自体はゆっくりと確実に千里に向かってくる・・・。 知らず知らずの間にかなり後ずさりしていた千里。壁に背中がつく…。ハッとする千里。 機械的に進んでくるソンビの集団―――。 周りを瞬時に見回し、退路を探りヒップホルダーに隠していた“デリンジャー”を右手に脱出を試みる。 中央強行突破を覚悟する千里。デリンジャーを構え走り出す。 するとソンビが左右に分れ、道ができる。構わず走る千里。 割れた道のその先に、黒スーツの男。銃を構え直し、男に突進する千里。 スッと横を向く男。右手の黒の皮手袋をはめ直し、ゆっくり顔だけ千里の方を向く・・・。 銃口をチラッと見る男。千里、デリンジャーを3連射。それを上半身だけで避け、 そのまま体をかがめ千里のボディに一撃入れる。男に倒れこむ千里。 男の肩越しにデリンジャーの残弾一発が虚しく光を放つ。 「あいつらにくれてやるにはもったいない・・・――。」 慣れた手つきで千里を担ぎ上げた黒スーツの男は、その場を立ち去っていく・・・――。 そして千里の意識はスーっと薄れ・・・――。 <タイトルバック> 【 SCENE,2 】 廃ビルの割れた窓―――。 錆びた窓格子に片手をつながれている千里。 疲れきり、グッタリしながら大きく息をしている。 そして、右側に感じる気配に向かい、自由の利かない体をよじらせしっかり相手を睨み付ける・・・。 蠢く無数のゾンビ・・・。 スーツ姿の男が口を開く。 スーツ男 「どうでしょう。諦めて僕のモノになりませんか? この世界を2人で新たに作っていきませんか?」 千 里「ふざけないでよ!こんな腐った世界・・・・・・。誰がっ!!」 スーツ男 「・・・じゃぁ しょうがない。」 スーツ男の合図で、千里に向かい一斉に動き出す無数のソンビ達―――。 前方のゾンビが千里の腕を掴み、もう1体のゾンビが首を思い切り掴む―――。 千 里「うっ・・・・・・・・!!」 また別のゾンビが、千里が着ていたキャミソールを掴み・・・ ビリッ! ビリッ! ビリッ・・・! キャミソールは無残に引き裂かれる。 ドス ドス ドス ドス ドス―――・・・ その音と共に、首と腕を掴んでいた2体のゾンビが崩れ落ちる。 キャミソールを掴んでいたゾンビは、手を離すことなくそのまま崩れ落ちる。 ビリ ビリ ビリ ビリッ・・・!! 千 里「キャーーーー!」 ドス ドス ドス ドス ドス―――・・・ 両手に銃を構え、ゾンビの後方より千里に向かいまっすぐと向かって歩いてくる男。 男の手より発砲される弾丸は、機械的なまでに的確にゾンビを捉え、次々と倒されていくその様は、まるで十戒のよう。男は自分の作ったその道を通り、千里へと近づいてくる・・・。男はあっという間に千里の目の前にたどり着き、腰からナイフを取り出し千里がつながれているロープをスパッと切り落とす。そして、キャミ風ドレスを裂かれの肌を露出した千里の姿を見る・・・。 男 「遅くなってすまない。」 千 里「危ないわね!私に当たったらどうするつもり?!」 男 「あいにくそんなヘボい腕は持っていないんでね。」 男 「オレの名前は大河 航(たいが わたる)。“大きな河”に航海の“航”でわたる。」 千 里「大河航・・・。」(つながれていた手をさすりながら) 千 里「ちょっとステキじゃない」 こんな会話をしている間にゾンビはどんどん2人に近づいてくる―――。 航 「一旦逃げるぞ。」 男はそう言いながら肩から担いでいたイングラムサブマシンガンを千里に手渡す。 千 里「うぁーーーーーー!!!」 今までのウップンを晴らすかのようにイングラムを乱射する千里。 男は脱出ルートを作るため、千里に背を向け的確にゾンビを射撃。 突破口が開く――。 男は千里の手を掴み走り出す(奥に座っているボスとは逆の方向へ)。 半ば引っ張られるようなかたちで走る千里は、右手で男の腰に刺さっている チャーターアームズのアンダーカバーリボルバー5連発を抜き、 自分のキャミソールを切り裂いたゾンビ(すでに死んではいるが)に1発 撃ち込んだ後、その銃を男に投げ渡す。 男は、走りながらその銃に残ったラスト4発を、「精密」と言っても過言ではない程的確にボス の急所に撃ち込む。 ボスは手のひらを前に出し、座ったままその正確なまでの弾丸を受ける――――・・・。 男は、弾の切れたその銃をその場に投げ捨て、再び千里の腕を掴み走りだす・・・。 |
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